この記事を読むと、クリニックのGoogle口コミ返信で守るべき3つのルールと、そのまま使える返信テンプレ、担当と確認フローの決め方が分かります✨
- 💬 院長として、Googleの口コミにどこまで返信してよいのか分からない
- 💬 「ご来院ありがとうございました」と書いて、あとから不安になったことがある
- 💬 低評価の口コミを見るたびに、反論したい気持ちを抑えている
- 💬 医療広告ガイドラインが気になって、返信そのものを止めている
口コミへの返信は、MEO対策(=Googleマップで自院を上位に表示させる対策)の一部でもあり、内科・整形外科・小児科のクリニックにとって、地域の患者さんに向けた「無料の名刺」です。ただし飲食店や美容室と同じ感覚で書くと、患者さんの情報や治療効果に触れてしまうことがあります。
以前、兵庫県伊丹市の内科クリニックから「事務スタッフが善意で書いた返信を、院長がチェックする仕組みがない」というご相談をいただきました。
大阪府箕面市の整形外科クリニックからは、逆に「怖くて8か月ほど返信を止めている」というご相談でした。
正反対に見える2つの医院ですが、原因は同じです。医療機関の口コミ返信には、守るべき線があるのに、その線が院内で共有されていなかったのです。
クリニックの口コミ返信が、普通のお店と違う理由
結論から言うと、Googleマップに表示される医院の返信は、投稿者ひとりへの返事ではなく、これから受診を考える人全員に見られる文章です。ここが飲食店や美容室との違いです。
医療機関のウェブ上の情報発信は、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」(=医療機関が広告できる内容と表現を定めた国の指針)の対象になり得ます。広告にあたるかどうかは、大きく2つの視点で判断されます。
- ・特定性 — どの医療機関の情報か分かること(医院名のアカウントからの返信は、これを満たします)
- ・誘引性 — 受診を促す意図が読み取れること
患者さんが自分の意思で書いた口コミそのものは、医療機関が依頼していなければ、広告規制の対象外という整理が一般的です。厚労省のQ&Aでも、医療機関が肯定的な投稿を依頼した場合は広告にあたり得る、とされています。
一方、医院が書く返信は、まさに医院自身の発信です。厚労省のQ&Aに「口コミへの返信」を名指しした項目は見当たりませんでしたが、返信が来院を検討する人に向けた情報として読まれる以上、慎重に扱うのが実務の考え方です。
⚠️ 法的な判断は、医院ごとの状況で変わります。最終的には厚生労働省の「医療広告ガイドライン」と「医療広告ガイドラインに関するQ&A」の最新版を確認し、迷うときは管轄の保健所や専門家に相談してください。
公式情報は厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」にまとまっています。虚偽の広告には罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が定められているため、「ちょっとした一言」でも軽く見ないほうが安全です。
ルール1:患者が特定される情報・診療内容に触れない
1つ目は、返信に、患者さんが特定できる情報や診療内容を書かないことです。医療従事者には守秘義務があり、Google自身もマップの投稿ポリシーで、本人の同意のない個人情報の掲載を認めていません。
気をつけたいのは、氏名や病名だけではありません。「ご来院いただき」の一言も、その人が受診した事実を認めてしまう表現になり得ます。口コミの投稿者は、ニックネームで書いているつもりでも、家族や職場の人には分かることがあるからです。
| 避けたい書き方 | 言い換えの例 |
|---|---|
| ○月○日はお待たせしてしまい失礼しました | 待ち時間についてのご意見を、真摯に受け止めます |
| 検査の説明が足りなかったかもしれません | 説明の分かりやすさについて、貴重なご意見をいただきました |
| カルテを確認したところ、事実と異なります | 内容を確認のうえ、必要な場合は院内で適切に対応いたします |
| 担当の○○医師から説明したはずです | スタッフ全員で、説明の仕方を見直してまいります |
よくある失敗:善意の説明が、そのまま情報開示になる
箕面市の整形外科クリニックで起きたのが、まさにこれでした。患者さんが「リハビリで肩が上がるようになった」と書いてくれたので、事務長が「肩の動きがよくなって何よりです。通院を続けてよかったですね」と返信したのです。
感謝の気持ちは本物です。それでも、この一文には受診の事実、部位、症状の経過の3つが入っています。あとから読み返した院長が青ざめ、返信を全部止めたそうです。
直し方はシンプルで、「温かいお言葉をありがとうございます。今後も、地域の皆さまに安心していただける診療を続けてまいります」のように、患者さん個人ではなく、医院の姿勢について書くだけです。
ルール2:返信で治療効果をうたわない
2つ目は、返信のなかで、治療の効果や結果を断定しないことです。患者さんの体験談のうち、治療内容や効果に関するものは、医療広告ガイドライン上、広告禁止の対象とされています。
ここで落とし穴になるのが、感謝の返信です。高評価の口コミに「痛みが取れたと言っていただけて嬉しいです」と返すと、体験談を医院が引用して再掲した形になりかねません。感謝を伝えるつもりが、効果のアピールに見えてしまう。それが怖いところです。
- ⚠️ 「必ず良くなります」「安心してお任せください」などの効果の断定
- ⚠️ 「他院で改善しなかった症状も当院で」などの他院との比較
- ⚠️ 「次回は割引でご案内します」などの費用・割引の訴求
- ⚠️ 「放置すると危険です」などの不安をあおる言い方
- ⚠️ 「痛みが消えた」など、患者さんの体験談の言い換え・引用
なお、駅から近い、院内が明るい、スタッフの対応が丁寧だった、といった治療内容や効果とは別の感想は、体験談として問題になりにくいとされています。だからこそ、返信で触れるならこちら側の話題に寄せるのが安全です。
ただし、どこまでが許容範囲かはガイドラインの解釈次第で、更新もされます。断定せず、常に最新の公式情報に照らして判断してください。
ルール3:低評価にも感情的にならず、事実と改善姿勢だけ返す
3つ目は、低評価の口コミへの向き合い方です。「待ち時間が長い」「説明が冷たい」といった星1〜2の口コミを見ると、事実と違うと感じて反論したくなるものです。なぜ、そこで踏みとどまる必要があるのでしょうか?
理由は、返信を読んでいるのは投稿者ではなく、次に受診先を探している人だからです。反論の長文は、正しくても「こわい医院」に見えます。
正直に言うと、「誤解は丁寧に解いたほうがいい」という一般的なアドバイスは、医療機関には当てはまりません。誤解を解こうとすると、診療の経過や受診日など、守秘義務にかかわる事実を書かざるを得なくなるからです。また、事実無根の口コミに「申し訳ありません」と謝ると、内容を認めたと受け取られる可能性を指摘する弁護士の解説もあります。
だからうちでは、低評価への返信は「受け止める」「一般化して改善を伝える」「個別の話は院内の窓口で聞く」の3点だけで組み立てるよう提案しています。
逆に言えば、感情を挟まず淡々と、しかし誠実に返せる医院は、低評価すら信頼の材料にできます。星1の口コミの下にある落ち着いた返信を読んで、「ここなら話を聞いてくれそうだ」と感じる人は少なくありません。まずは3点の型を院内で共有するところから始めましょう。
そのまま使える返信テンプレ3種
3つのルールを守ったうえで、患者さんに冷たい印象を与えないための型を3つ用意しました。医院名やスタッフの雰囲気に合わせて、言葉だけ調整してください。
高評価の口コミへの返信
「あたたかいお言葉をありがとうございます。スタッフ一同、大変励みになります。地域の皆さまが安心して相談できる医院であり続けられるよう、これからも努めてまいります。」
効果・症状・受診の事実には一切触れず、医院としての姿勢だけを書いています。
低評価の口コミへの返信
「このたびは、ご不便やご不快な思いをされたとのこと、真摯に受け止めております。いただいたご意見は、スタッフ全員で共有し、今後の運営に役立ててまいります。詳しくお聞かせいただける場合は、お電話にて院内の窓口までご連絡ください。」
謝罪は「ご不快な思い」に対して行い、事実の認定はしません。個別の話は院内の窓口へ誘導します。
待ち時間・接遇などの要望への返信
「待ち時間や対応についての貴重なご意見をありがとうございます。混み合う時間帯の案内を含め、受付の運営を見直してまいります。」
「必ず改善します」と断言せず、「見直す」という約束できる範囲にとどめるのがコツです。
返信文の下書きをAIで作る方法は、美容室のAIで口コミ返信を時短する3つの方法で解説しています。ただし医療機関では、AIの下書きでも、必ず人が3つのルールで見直してから公開してください。
事例:返信担当と確認フローを決めた伊丹市の内科クリニック
兵庫県伊丹市の駅から徒歩数分、住宅街の一角にある内科クリニックの事例です。医師1名、看護師3名、事務スタッフ5名の計9名で、新患は月38件ほど。かかりつけ医として通う高齢の患者さんが多い医院でした。
課題は、返信の「質」と「抜け」でした。整備前の半年間のGoogle口コミ46件のうち、返信済みは11件(24%)。しかも、返信したなかには「先日は点滴でお疲れさまでした」など、診療内容が読み取れる文面が混ざっていました。
弊社では、次の3点を院内ルールとして整えました。
- 💡 下書きは事務長、公開の承認は院長の2段階にする
- 💡 公開前に「患者が特定できないか」「効果をうたっていないか」「感情が入っていないか」の3点をチェック表で確認する
- 💡 返信の目安を、口コミが投稿されてから2営業日以内にする
結果、運用開始から14週間で、新着の口コミ17件と過去の未返信35件のすべてに返信できました。問診票の「来院のきっかけ」で「Googleマップ・検索」を選んだ新患は、月16件から23件に増えています。
返信だけの効果とは言い切れません。それでも、事務長が「院長のチェックが入るので、安心して書けるようになった」と話していたのが印象的でした。怖くて手が止まる状態から、迷わず書ける状態になったことが、一番の成果です。
返信担当と確認フローの決め方
弊社は関西を中心に、クリニック・歯科・サロンなど19業種のホームページ制作と集客支援に携わってきました。その現場感覚から言うと、口コミ返信は「文章力」より「仕組み」の問題です。
よく「口コミには、すべて丁寧に返信しましょう」と言われます。ところが伊丹市や箕面市のクリニックの現場では、返信率100%を目指したことで、かえって危ない文面が増えるというケースに出会います。
原因は、忙しい受付や事務スタッフが、1件ずつ善意で書いてしまうことです。「ご来院ありがとうございました」の一言を、患者さん全員に入れてしまう。これを知っているかどうかで、返信の安全性は大きく変わります。
だから、最初に決めるのは文章のうまさではなく、担当と確認の順番です。
まず、この3つだけ決めればいい
予算も人手も限られる医院なら、全部を一度に整える必要はありません。最初にやるのは、次の3つだけで十分です。
- 💡 下書き担当を1人に絞る(事務長・受付責任者など)
- 💡 公開の承認者を決める(院長または管理者)
- 💡 NGワード表を作る(「ご来院」「治る」「改善」「必ず」など)
NGワード表は、A4用紙1枚で構いません。受付のパソコンのそばに貼っておくと、書く前に一度目に入ります。
担当が休みのときの代理と、院長が診療中のときの承認のタイミングも、あわせて決めておくと運用が止まりません。返信を書く時間は、診療の合間や昼休み後の15分で足ります。
口コミを増やす側の仕組みは、歯科医院の口コミを増やす3つの仕組みで整理しています。増やす依頼のしかたを間違えると、ガイドライン上の問題にもなり得るので、あわせて確認してください。
クリニックのホームページ制作・システム開発をお考えの方へ
当サイトでは、内科・整形外科・小児科などのクリニックに特化したホームページ制作・システム開発の詳しいご案内ページをご用意しています。
病院・診療所・医院ならではの集客のポイントや導入事例をまとめていますので、あわせてご覧ください。
あなたの医院の口コミ返信は大丈夫?チェックリスト
- ✅ 返信に「ご来院」「先日は」など、受診の事実が分かる言葉を入れている
- ✅ 高評価に「良くなってよかった」など、症状や効果に触れて返している
- ✅ 低評価に、反論や「カルテを確認したところ」と書いたことがある
- ✅ 返信の下書きと承認者が決まっておらず、担当スタッフの判断で公開している
2つ以上当てはまるなら、返信の文面より先に、ルールと確認の流れを整えるタイミングです。
まずはここから始めてみませんか?
自分で改善したい方へ
まずは過去の返信を10件だけ読み返して、「ご来院」と「効果に触れた一文」に印を付けるところから始めてみてください。それだけで、直すべき癖が見えてきます。
プロに相談したい方へ
「Googleビジネスプロフィール(=Googleマップに表示される医院の情報ページ)の整備から、返信の運用まで任せたい」という方は、お気軽にご相談ください。現状の課題と改善ポイントを、専門用語なしで分かりやすくお伝えします。
私たち株式会社grandiosoは、関西エリアを中心に全国の中小企業・個人事業主の皆さまにホームページ制作やシステム開発をご提供しています。
この記事でご紹介した内容も、すべて当サイトで実際に運用しているものです。
相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください✨
































